女性の健康専門家集団(アメリカ)

"Wemen's Health Specialists"
上に書いた「フェミニスト・ウィメンズ・ヘルス・センター」Feminist Women's Health Center第一号は、ダウナー&ロスマンを含むロサンゼルスの活動家たちが設立したもの。その後、各地にいくつもの「フェミニスト・ウィメンズ・ヘルス・センター」が作られ現在も活動を続けている。
そのうち、カリフォルニア州チコに1975年に作られたフェミニスト・ウィメンズ・ヘルス・センターは、1996年に名称を"Wemen's Health Specialists"(女性の健康専門家たち)に変え、ネットでもさまざまな情報を発信している。

その情報の中に、Del-Emと同じコンセプトで作られた「ホーム・レメディ」(家庭用治療薬)のリストがある。つまり、医療専門家に自分たちのからだの決定権をゆだねるのではなく、自分たちの手で自分たちの健康をコントロールする力を取り戻そう、というスタンスから、民間療法やサプリメントの飲み方まで色々調べて、自分たちの役に立ちそうなブツを集めてきたのだ。

チコのフェミニスト・ウィメンズ・ヘルス・センターでは、クリス・ネルソンChris Nelsonという人が1976年にまとめたホームレメディのパンフレットを配布していたようだ。"Wemen's Health Specialists"のサイトに掲載されているのだけど、見てみると異常におもしろい。

たとえば、Del-Emとおなじように、月経調節(遅れている月経を生じさせる=ごく初期の中絶も可能となる)用ということで紹介されているレメディには、マイルドなものから強いものまで種類がある。

マイルドなものとしてあげられているのは、

レッド・セージ、カモミールアメリサフラン エレキャンペーン、レモンバーム、パセリ、バジル

といったハーブ。これらを何種類か組み合わせることも可能らしい。

強いものは、

ペニーロイヤル、ブルー・ココシュ、ブラック・ココシュ、ミルラ、ビタミンC(生理予定日の前5日間に飲む)

など。日本では入手しにくいものもあるが、ココシュなんかはアメリカではその辺に生えてる木らしい。

アロマテラピーなどで、ジャスミンは流産を引き起こす危険性があるから妊娠中は使用を避けること、というような注意書きがあるが、それを逆手に取れば月経調整や初期中絶が可能になるという仕組みだ。ここにあげられているものは、料理にも使われるので、とても身近な材料ということになる。妊婦はマグロを食うなとか、走るなとか、なんかいろいろ言われるけど、こういう子宮収縮を促すような薬草を、初期中絶に利用しよう、という考え方は、ほんとに賢いというか、発想の転換というか、とにかく、自分たちの力になるものを知っている、という感じだ。

ただし、このパンフレット自体は1976年段階のもので、その後、これらを使った人たちがどうだったかという情報はないので、ホームレメディを試してみたい人は直接サイトをみて、分量とか飲み方とかいろいろ研究してみてください。わたし個人は、日本版のこういうのを作成したいなあと強く思っております。