寺田寅彦『柿の種』

ゼミの関係で、読んだ本。爆笑しながら読んだ。
柿の種 (ワイド版岩波文庫)

「庭の植え込みの中などで、しゃがんで草をむしっていると、不思議な性的の衝動を感じることがある」
と一人が言う。
「そう言えば、私はひとりで荒磯の岩陰などにいて、潮の香をかいでいる時に、やはりそういう気のするところがあるようだ」
ともう一人が言った。
 この対話を聞いた時に、私はなんだか非常に恐ろしい事実に逢着したような気がした。
 自然界と人間との間の関係には、まだわれわれの夢にも知らないようなものが、いくらでもあるのではないか。(大正9年12月)

恐ろしい事実! 寅彦は恐ろしかったんだ…私は爆笑したけどな。
同じ様な話で、論文を集中して読んでたら濡れる、マンガを一心不乱に読んでたら濡れる、という話を聞いたことがある。夢にも知らないようなものは、いくらでもありそう。